「書評」

 

創刊号

 

評論「ポーの美について(ノート)柏山隆基

(詩の原理、コールリッジの影響、創作技法、詩作から小説へ、等)という副題がある。その通りで、ポーについての生活と作品の関係がよくわかる。小説の巧さと詩的な神秘主義としか思っていなかったので大変参考になった。「詩の原理」は萩原朔太郎は読んでいたが、ポーに同名の書があるとは知らなかった。こういう理論は、朔太郎の場合、実作作品より良いとは思えなかったが、ポーの場合もそれほど良くないのかも知れないと思った。理論で創作のインスピレーションは明らかにできないのではないか、と思っている。

 

評論 映画監督のペルソナ「川島雄三論」石渡均

出版本になるはずだったものが、不運にもできなかった評論だとある。映画にはくわしくないが、著名な監督であったことはわかる。映画監督は、そういうものかと興味深く読んだ。

紹介者「詩人回廊」伊藤昭一 201335